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2019年11月19日(火)〜2020年1月13日(月) 札幌芸術の森美術館で開催中の「タグチ・アートコレクション 球体のパレット」展へ行ってきました。かなり久しぶりに展覧会へ足を運びました。
とても面白く、良い展覧会でした。何が良かったかと言うと、各作品と共に展示されている「解説パネル」です。
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この展覧会では66点の「現代美術(現代アート、コンテンポラリー アート)」が展示されています。
現代美術はその難解なイメージによって、普段は中世美術〜近代美術の展覧会に足を運ぶ人でも現代美術の展覧会はあまり行かない人も多いのではないでしょうか。
「球体のパレット展」はそんな現代美術展をあまり見ない人も楽しめる展覧会です。
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この展覧会では作品と共に展示されている「解説パネル」が大変わかりやすく、誰もが楽しめる展示でした。
解説の構成は「作家の生まれた年」「出身国・地域」「作家の作風と変遷」そして「本作(展示作品)の解説」。どんな作家がこれまでどんな作品を制作し、なぜこの展示作品が作られたのかを、難しい専門用語を使わずにコンパクトな文章でまとめられています。
普段現代美術の展覧会を見る機会が少ない人にもおすすめできる展覧会です。
また、北海道ではあまり見る事ができない作家作品も見られるので、現代美術が好きな人は間違いなく楽しめる展示内容です(個人的にはダミアン・ハーストのSpot painting作品が北海道の美術館で展示されている事に驚きました。北海道にハースト作品が来ることはほとんどない気がします。。)
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10年以上前に開催された「ネオテニージャパン展」(2008年)でも、まとまった数の現代美術作品を札幌で見る事ができました。
ネオテニージャパン展(高橋コレクション)と球体のパレット展(タグチ・アートコレクション)は共に日本人の現代美術コレクターのコレクション作品を展示する展覧会です。
この2つの現代美術展の大きな違いは展示作家の出身地域だと思います。ネオテニージャパン展で展示されていたのは日本人の現代美術作家作品でした。球体のパレット展の作家の出身地域は、日本含めアジア、北米、南米、欧州、中東 等々、様々です。
今回の展覧会では作家の出身地域の背景がその作品に色濃く反映されるものだと改めて思いました。それが意図的であれ無意識的であれその地域が抱える問題、生活、政治、治安、争い、環境 等々が反映されており、それらを作品から読み取る事ができます。
それも「解説パネル」のおかげです。
現代美術の中には、奇抜さ・難解さの部分が強調されすぎて敬遠される作品も中にはあるかと思います。
少なくとも「球体のパレット展」で展示されている作品は「作家と作品のわかりやすい解説」による「わかりやすい展示」になっています。(美術・アートに少しでも興味があれば)誰もが楽しめる展覧会です。
2019年に帯広・釧路・函館、そして札幌と北海道内を巡回している展覧会ですが、道内巡回だけではもったいない!とすら思う内容でした。
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ちなみに私が一番気に入った作品はこちら。
理由はただひとつ、「とってもかわいい」。
(アヒルが水面に映る自分の顔を覗き込んでいます)
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他に気に入った作品を貼っておきます。
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※球体のパレット展は一部作品を除き撮影可能です。